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前向きに Jazz!

日々進化し続けるJazzとともに歩んできた終わりのない旅

Category: guitar (第2期)  

Mikkel Ploug Group / Nocturnes



Mikkel Ploug Group / Nocturnes

Mikkel Ploug (g)
Mark Turner (ts)
Jeppe Skovakke (b)
Sean Carpio (ds)

01.Stockholm Night Lights
02.Mignon – und die Sonne geht unter
03.Sænk kun dit hoved, du blomst
04.Lacrimosa
05.Und die Sonne geht auf
06.Monet
07.Sigrids Wiegenlied
08.Peace Chant
09.Nocturnal
10.Song Can Tend the Ailing Spirit

STUCD22112 (STUNT 2023)

デンマークのギタリスト Mikkel Ploug(B1978) の新作。
同一メンバーによる2006年のデビュー作でもそうだったが、tsの Mark Turner(B1965) を全面的にフィーチャーしたものとなって
おり、この間、Turner との共演も多いというこの15年ほどの活動歴となっている。
M1, 6, 8, 9 は Ploug のオリジナル。

一通り聴いてみれば、全10曲全てがスローからミディアムスロー系の展開となっており、音楽は大自然のゆったりとした時の流れ
でもイメージするような清々しくも柔らかな光に満ちた世界観もある音世界となっている。
どこか微妙にフォーキーな流れも感じられるその音楽には、近年の一部の若手ミュージシャンに感じられるようなアメリカーナの流れ
と一部繋がるものもあるようにも思えるのだが………………。
一般的には、新しい音を求めていけば、音楽は難解な方向へと走る傾向もあるが、この音楽にはテクニカルと感じられる要素はない。
本来、音楽そのものには不必要なワザという部分のみが表立って前面に出ることもなく、ギターとテナーとが絡みあいながらも
丹念に紡ぎ出すラインは、シンプルで、すこぶる聴き易く美しく優しいといった方向性が感じられる。音楽表現上の必要性を超えた
ワザという部分のあり方にもちょっと疑問も感じていた特に近年のギター界の傾向だっただけに、何か感じるものもあった一枚では
あった。これもまた新しい音楽の方向性の一つの形とも言えるのかもしれない。
自分の好みや今まで自分が追ってきた音楽の流れ…………などから、ついつい見失いがちになってしまうが、新しい音楽に求める
方向性も無限にあるということ、そんなことも思わせてくれた一枚でもあった。

この Ploug も前述のデビュー作では、Mark Turner を擁し、明らかに Kurt Rosenwinkel を起点とした流れを強く感じさせる
ものもあったのだが、独自性という点では、満足できるという段階にはなく不満も残ったのを記憶しているが、その後、全作では
ないが時々チェックしてきての本作までの流れを振り返れば、独自の形が鮮明に感じられるようになってきており、その点では
納得できるものがある。
ただ、自分の好みからは、ちょっと”キレイ過ぎる”という点で外れてしまう部分もあるのだが…………………。
この私的好みなど吹き飛ばされてしまうほどの圧倒的な “美” に出会い、私的美の価値観など根底から覆されることにより、私的
方向性が変わってしまうほどの才能に出会いたいものだ。

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